ジンは心を酔わせるの.jpg



「傷心と空虚のどちらかを選ばなくてはならないとしたらどちらを選ぶ?」



森瑤子の作品の中で、何度か出てくるセリフだ。

傷心は妥協の産物だ。全てでなければ何もいらない、だから空虚を選ぶ」

と言ったのは、森瑤子の作品の登場人物だと記憶していたのだが、
どうも、ゴダールの映画「勝手にしやがれ」のセリフを引用したもの。


正確には、、、、
「傷心はバカげてる。虚無を選ぶね。傷心は一つの妥協だ。全てか無かだ。今それが判った」

それを森瑤子が作品の中で使っていたってことか。


森瑤子の作品の中では、女は空虚を選んでいる。
「空虚はなにもないこと。そんなのぞっとしない?
自分の中が空っぽになってしまうくらいなら、どんなに辛くても私は傷心を選ぶ」



私が森瑤子の作品を初めて読んだのは確か19の時。
(しっかし19にはいろんなことが有り過ぎた・・・というより波乱の幕開け・・・)

地元の駅前のスーパーの前に古本が並んでいて、
ふと手にしたのがデビュー作の「情事」


そこからだはまったのは。森瑤子の作品は全て読んでいる。

感化されというより、当時の私にピッタリ重なった。
森瑤子の作品が。


全てでなければ何もいらない------

そう、私も「空虚」を選んだ。

選んだのに煩悩は消せず、というよりすでにその時傷付いてたからこその選択だったと思う。

全てがほしい。全てを頂戴と全てを望んだが、
貰えることはなく、文字通り心身共に傷だらけになっていく。



傷も残らないような愛し方なんてしない。

だから、その道以外はなかったと思っている。



「傷心と空虚のどちらかを選ばなくてはならないとしたらどちらを選ぶ?」

今訊ねられたなら、私はどちらを選ぶのだろう。